農業について

ここの農地および農業は、所有者をはじめ、地域の人の手で大切に受け継がれてきました。

私たちはそれを、この地域の文化、物語の一部であると考えます。
農業の担い手となることで、それらを「これから」につなげる方法を模索していきたいと考えています。


農地と農業

管理する農地は水田、畑、梅林で構成されています。

いずれもほ場整備がなされていないため、作業は人力が中心です。

また、山間地であり野生動物による被害も少なくありません。
それでもこれまで農地として活用されてきたこの場所を、今後も農地として活用したいとの意向を受け、2007年から農業を続けています。

畑の師匠は「畑のことは畑が教えてくれるよぉ」と話していました。
土が硬いところでは大根は上に伸びるし、草がよく伸びる畑は栄養がある。畑にあった作物を育てるのは、本当に難しいことです。
無農薬で栽培するため、草がどんどん伸びます。イノシシにじゃがいもを食べられたりもします。


それでも、日々畑に向き合って、安全でおいしい野菜作り続けていきます。


味噌づくり

管理するフィールドのなかには味噌蔵があります。

100年以上を経た味噌蔵には、さまざまな素敵な菌たちがいて、おいしい味噌作りを支えてくれます。
味噌は、ずっと使われてきたこの蔵の、ずっと使われていた木樽の中でじっくり寝かされ、熟成していきます。

このあたりでは、味噌作りのことを「味噌つき」と言います。

「餅つき」と同じように、大釜でゆでた大豆を臼にあけて、杵でつくことからこのように呼ばれるようです。

冬〜初春の寒い時期、地域の方に参加いただきながら、毎年楽しく「味噌つき」をします。

味噌は夏を越した11月ぐらいから食べられますが、「二夏越えた味噌がうまい」という話もあって、1年ものと2年ものを販売しています。
確かに2年ものは塩の角が取れ、まろやかな味わいですが、1年ものの方が麹が香るという人もいて、好みの分かれるところです。

毎年50kg弱の樽に3樽ずつ仕込むのですが、おかげさまで2年ものは早めに無くなってしまうので、ぜひお試しいただければと思います。


梅・梅干し

春の終わり、あるいは初夏のはじめ。
梅林では、取りきれないほどの梅が実をつけます。
お店に並んでいるようなきれいな実ではありませんが、完全無農薬の立派な梅の実ができます。

 

 

この時期、生梅を販売しています。梅酒やシロップ用として、お買い上げ頂いています。

 

また、この時期に自家製の梅干しも製造しています。

完熟し枝から離れた梅を採取し使います。



保存料等を使用しないため、昔ながらの塩辛い梅干しですが、安心して保存できますし、少しずつかじればなかなかおいしいものです。


現在販売している梅干は3年もの。今年(2023年)は100kg以上の梅を仕込んでいます。

これからどんな梅干しになっていくのか楽しみです。